「視神経脊髄炎(ししんけいせきずいえん:Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder、NMOSD)」は、自己免疫性の中枢神経疾患で、主に視神経と脊髄に炎症が起こる病気です。
視力低下や失明、下肢麻痺、感覚障害などを引き起こすことがあります。
鍼灸では、免疫の調整・炎症の鎮静・神経修復の促進を目的として補助的にアプローチします。



🩺 鍼灸治療の考え方
東洋医学的な弁証
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肝腎陰虚型:視神経や脊髄の虚弱(疲れやすい、めまい、目の乾燥、腰膝酸軟)
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痰湿阻絡型:免疫過剰反応による炎症や浮腫(頭重、胸悶、四肢のしびれ)
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気血両虚型:発作やステロイド治療後の回復期(倦怠感、視力回復遅い)
🪡 主な治療方針と経穴
① 眼部・視神経の機能回復
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攅竹(さんちく), 睛明(せいめい), 承泣(しょうきゅう), 太陽(たいよう)
→ 視神経の血流促進・炎症抑制 -
風池(ふうち), 翳風(えいふう)
→ 視神経伝達経路(延髄〜頸髄)の調整
② 脊髄炎による下肢麻痺・感覚障害
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大椎(だいつい), 身柱(しんちゅう), 腰陽関(ようようかん), 命門(めいもん)
→ 脊髄炎症の鎮静と神経修復促進 -
足三里(あしさんり), 承山(しょうざん), 太谿(たいけい)
→ 下肢の筋力・感覚回復
③ 免疫・自律神経バランス調整
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百会(ひゃくえ), 内関(ないかん), 神門(しんもん), 三陰交(さんいんこう)
→ 中枢神経系の安定、自律神経調整 -
脾兪(ひゆ), 腎兪(じんゆ), 肝兪(かんゆ)
→ 免疫系と内臓機能の調整
🔥 補助療法
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温灸:腰背部・腎兪・命門への施灸で免疫・血流改善
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頭鍼療法:運動区・感覚区への刺激で麻痺回復を促す
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耳鍼:眼点・神門・脾・腎点
💡 治療頻度と期間
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急性期:週2〜3回(炎症安定まで)
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回復期:週1回、3〜6か月継続が目安
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慢性期維持:月1〜2回で再発予防
⚠️ 注意点
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西洋医学(免疫抑制薬、ステロイド療法)との併用が基本です。
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発熱・急性視力低下時は直ちに神経内科受診。
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鍼灸は補助療法として免疫安定と再発予防に有効と考えられています。

