
脱肛
脱肛
脱肛(直腸脱)は、肛門から直腸粘膜や直腸が外に出てしまう状態を指します。東洋医学では「気虚」「脾虚」「下焦不固」などが主な原因と考えられます。鍼灸治療は、気血を補い、下焦(骨盤や肛門周辺)の機能を強化し、脱肛の改善と再発予防を目指します。
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1. 主な治療の目標
• 脾胃の機能を高め、肛門周囲の筋力を強化。
• 下焦の気血の流れを整え、直腸の位置を安定。
• 肛門周囲の血流を改善し、炎症や腫れを軽減。
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2. 主な経穴(ツボ)
気虚や脾虚を改善するツボ
• 百会(ひゃくえ):気を引き上げ、脱肛を防ぐ。頭頂にあり、体全体の気を調整。
• 足三里(あしさんり):脾胃を補い、消化器系の機能を高める。
• 関元(かんげん):下腹部のエネルギーを補い、骨盤内の気を安定させる。
• 気海(きかい):全身の気を補い、下焦を強化。
肛門周囲の血流を改善するツボ
• 長強(ちょうきょう):肛門に近い位置にあり、局所の血流と筋力を整える。
• 会陰(えいん):骨盤底筋を強化し、脱肛の再発を予防。
• 大腸兪(だいちょうゆ):腸の調整と肛門周辺の血流促進。
ストレスや緊張を緩和するツボ
• 太衝(たいしょう):ストレス性の緊張を和らげ、全身の気血を調整。
• 神門(しんもん):自律神経を整え、リラクゼーション効果を促進。
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3. 鍼治療の方法
• 補法:気虚や脾虚を改善し、体全体のエネルギーを補う。
• 局所治療:肛門周辺のツボ(長強、会陰)に穏やかな刺激を行い、血流と筋力を改善。
• 引き上げ効果:百会や気海を使い、下がった気を引き上げる施術を行う。
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4. 灸治療
• 温灸:
o 関元、気海、百会などに温灸を行い、体全体のエネルギーを高めます。
• 隔物灸:
o 生姜や塩を使った灸で、肛門周辺の血流を促進し、冷えを改善します。
• 温熱療法:
o 肛門周囲を温めることで血流を促し、症状の改善を助けます。
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5. 補助的な療法
• 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル運動):
o 肛門を締めるような運動を繰り返し行い、骨盤底筋を強化します。
• 腹式呼吸:
o 腹圧を適切に調整し、脱肛を防ぐ。
• マッサージ:
o 下腹部を軽くマッサージして、血流を促進。
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6. 日常生活のアドバイス
• 排便時の注意:
o 長時間のいきみを避ける。
o 足を軽く上げる(踏み台を使用)ことで排便をスムーズにする。
• 食事の工夫:
o 便秘を防ぐために、食物繊維を豊富に摂取。
o 水分を十分に摂り、便を柔らかく保つ。
o 腸内環境を整える発酵食品(ヨーグルト、味噌など)を摂取。
• 生活習慣の改善:
o 長時間の立位や座位を避ける。
o 重い物を持つ際に腹圧をかけすぎないよう注意。
• ストレス管理:
o リラックスできる環境を整え、ストレスを軽減。
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7. 注意事項
• 症状が重い場合(出血、強い痛み、脱肛が戻らないなど)は、医療機関での診察を受けることが必要です。
• 鍼灸は補助的な役割を果たすもので、日常生活の改善と併用することで効果を高めることができます。
• 脱肛が慢性的な場合や再発を繰り返す場合は、専門医との連携をお勧めします。
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具体的な症状や体質に合わせた治療計画についてさらに詳しくお知りになりたい場合は、どうぞお知らせください!
治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円